一昔前と比べるとスノーボードでヘルメットを被る方がだいぶ増えてきた印象を受けます。
それだけ安全意識が高まってきたんでしょうね。
デザイン性のあるおしゃれなものや軽量化も進んで昔よりは受け入れられてきていることも一因でしょう。
今までそんなに意識したことは無かったんですが、よく考えるとカービングなどでその気になれば結構な速度が出るんですよね。
コケたり他のボーダーやスキーヤーに突っ込まれでもしたらかなりの衝撃を受けることになります。
キッカーなどでもそうです。
アプローチである程度の速度を出して勢いよく踏み切ってぶっ飛んでるんですから着地に失敗すればケガしちゃうのも当然です。
特に頭部を強く打ち付けたりすれば生死に関わることだってあります。
幸い命に別状はなくても、日常生活で支障をきたす障害が残ってしまう可能性もゼロではないんです。
自分の身は自分で守らなければなりません。
ヘルメットを被ればそれらのリスクを減らすことができます。
ヘルメットの重要性
スノーボードの滑りのレベルに関係なく、頭部を強打する可能性は誰にでもあります。
初心者は速度こそ出さないでしょうが、予期せぬ逆エッジなどでうまく受け身が取れずに後頭部を打ち付けることがあります。
また、ある程度のレベルになってくると速度を出して滑るようになるはずです。
速い人では時速50km以上の速度で滑ることもあるそうです。
自分の想像以上に速度が出るとボードコントロールが出来なくなり、人や障害物に突っ込んだりします。
状況を考えればヘルメット無しでバイクを運転して交通事故を起こすようなもんです。
キッカーやパークなどをメインで楽しむ方でいえば着地時やアイテムに頭を打ち付けることもあります。
ヘルメットを被らずにまともに頭部を強打してしまうと・・・そう思うとゾッとしませんか?
バイクのようにヘルメット着用が義務化されているわけではありません。
つまり、結局のところ自己責任なわけです。
海外ではヘルメット着用が常識になっています。
バイクと同じようにスノーボードでもヘルメット着用が常識と考え、それに慣れてしまえばなんてことはありません。
特にお子さんには必ずヘルメットを被らせましょう。
身体も小さいので受ける衝撃も計り知れませんからね。
悲惨な結果にならないようにしっかりと準備することが大事です。
ヘルメットの基礎知識
ご自身に合うヘルメット選びのために、まずは基礎知識を見ていきましょう。
形状
ヘルメットは大きく2つの形状に分類されます。
レーシングモデルタイプ
出典:GIRO
頭部全体にガポッと被る防護力に特化した形状のモデルです。
主に競技用という認識でいいと思います。(たぶん)
フリースタイルモデルタイプ
出典:GIRO
一般的なヘルメットがこの形状のモデルです。
つばが付いているものなど、各ブランドからデザイン性のあるおしゃれなヘルメットがリリースされています。
安全性
言い換えると耐衝撃性のことです。
これは衝撃を受けたときの性能なので、その時でないと判断は難しいですよね・・・(^^;
だからといって見過ごすことのできない重要な要素です。
判断材料として2つの安全基準があります。
ASTM
引用:wikipedia
世界最大規模の米国標準化団体の基準のロゴです。国際的に広く支持されている規格になります。
CE
引用:wikipedia
EU(欧州連合)加盟国の基準のロゴです。
これらの基準を満たしているヘルメットを選ぶようにしましょう。
両方とも満たしているものが一番おすすめなのですが、最低でもどちらか満たしているものを選ぶようにしましょうね。
軽量性
重いヘルメットだとバランスを崩したときに頭が振られてしまうのでかえって危険です。
なにより、被ったまま長時間経つと疲れてしまいます。
最近のヘルメットは軽量化も進んでいるので被ってみたときに重さに対して特に気にならなければ大丈夫だと思います。
ただし、今までヘルメットを着用したことのない方にとっては慣れるまでの間は重たいなどの違和感を感じることもあるかもしれないので注意が必要です。
通気性
気温の低い雪山であっても動き回って身体が温まってくると頭部も例外なく蒸れてきます。
春スキーなどの気温が高い日にはさらに蒸れやすくなるので通気性は重要になってきます。
出典:SMITH
通気性を良くするため外側のシェル部分に通気口の穴が開いているものがあり、その通気口が開閉できるベンチレーション機能の付いたヘルメットもあります。
ヘルメット内の空気の流れを自分で調節できるのでおすすめです。
保温性
保温性は特に気にしなくても大丈夫です。
ヘルメット外側のシェル部分はプラスチック素材で、内側には頭部を防護するインナーがあるので被っているだけで暖かいんです。
また、降雪時やコケて雪まみれになってしまったときでもビーニーなどの帽子に比べると濡れて浸透しにくくなります。
サイズ
ブーツと同じようにヘルメットのサイズ選びも重要になってきます。
小さすぎると締め付けられて頭痛の原因になりますし、大きすぎるとヘルメット内に遊びができてしまうためバランスを崩したときに頭が振られたり、そもそもヘルメットを被る意味がなくなってしまいます。
ビーニーを被った上にヘルメットを被る方もいれば直接ヘルメットを被る方もいるでしょう。
ご自身のスタイルに合わせてジャストサイズのものを選ぶようにしましょう。
ゴーグルやブーツを選ぶ際にも同じことが言えますが、日本人(アジア人)は外国人と骨格が違うため海外ブランドのものは日本人に合わせた作りになっていません。
ジャパンフィット(アジアンフィット)といった日本人向けのモデルがあります。
頭の形状にも個人差があるので日本ブランドやジャパンフィットのヘルメットであってもぴったりとフィットするかは分かりません。
もしかしたら海外ブランドのジャパンフィットではないモデルのものが合うかもしれません。
もしものときに役に立たなければ何の意味もないので必ず試着をしてご自身の頭にぴったりフィットするヘルメットを選ぶようにしましょう。
その他機能
快適性をより高めるいくつかの機能があります。
フィットシステム
ヘルメットの有名ブランドの多くはフィットシステム機能が付いていると思います。
BOAシステムであったり、独自のシステムであったり様々です。
出典:SMITH
ブーツで馴染みのある方もいるかもしれませんね。
ヘルメット内側にワイヤーがあり、ダイヤル(大抵は後頭部付近にあります)を回してワイヤーを締めつけて頭部にフィットさせる機能です。
出典:GIRO
画像のようにインナーではなく外側のシェル部分を調節できるものもあります。
繰り返しになりますが、頭部の形状にも個人差があり、フィットシステム機能が付いていれば自分の頭部形状に合わせられるためフィット感が増します。
インナーの着脱
有名ブランドの多くはインナーパッドやイヤーパッドの着脱が可能だと思います。
シーズンオフには取り外して洗うことが出来るため衛生的です。
また、春スキーなど気温の高いときにはイヤーパッドを取り外して快適にスノボを楽しむこともできますね。
イヤホン機能
音楽を聴きながらスノボを楽しむことのできる機能です。
出典:GIRO
イヤーパッドの中にスピーカーを入れて使用します。
好きな音楽を聴きながらであればスノボをより楽しめますね。
出典:GIRO
少し値が張りますが音楽を聴く以外にハンズフリー通話もできるヘッドマウントもリリースされていますね。
出典:GIRO
音楽を聴く際にイヤホンのように耳にあてるのではなく、ヘルメットそのものを直接振動させて音楽を聴くみたいですね。
耳を塞いでいるわけではないので周囲の音も聞き逃すことがないので安心です。
小物類との相性
ゴーグルやフェイスマスク、ネックウォーマーなどの他の装備品との相性も気にしなくてはなりません。
ヘルメットは遊びのないぴったりとフィットするものを選ぶので、フェイスマスクやネックウォーマーがしっかりと着用できないことも考えられます。
特にゴーグルとの相性は重要で、しっかりと顔にフィットしていないとレンズが曇ったりして視界が悪くなることもあるため場合によってはゴーグルを買いなおすことになってしまうかもしれません。
出典:Amazon
ゴーグルのベルトをヘルメットの内側に装着する方もいるでしょうが、外側に装着する方はヘルメットがある分ベルトが伸びてヨレヨレになってしまう場合もあるので注意が必要です。
画像にあるような延長ベルト(ベルトクリップ)があるので必要に応じて使用しましょう。
せっかく所持している装備品を買いなおすのはバカバカしいので、他の装備品と合わせてしっかりと試着をすることをおすすめします。
まとめ
ヘルメットはかさばるので持ち運びには面倒です。
しかし万が一の安全面から考えればとても重要なアイテムになります。
防寒性に優れているのもメリットですね。
選ぶ際にはゴーグルなど他の装備品との相性も加味してぴったりとフィットするものを選びましょう。
『備えあれば憂いなし』ですよ!