ウインタースポーツのひとつ、スノーボード。
これからスノボに初めて挑戦する方、すでに何回か経験していて今シーズンから本格的に始めようと思っている方もいると思います。
そこで頭を悩ますのがギア(道具)選びです。
ウェアやビーニー(帽子)などは好きなブランドや気に入ったデザインで選べばいいと思います。
ボード、バインディング、ブーツの足回りに関するギアは、例えばカービングに特化していたりグラトリ(グラウンドトリック)に特化していたりがあるので注意が必要です。
値段もピンキリでボードであれば1万円台から、高いものになると10万円以上するものまであります。
特化した性能を持つギアはそれなりに値段が高くなるのでエントリーモデルなどではあまり気にする必要もありませんが、ボードの種類や選び方など知っておくと先々に役立ちますよ!
板の選び方
それでは板の選び方を見ていきましょう!
アルペンとフリースタイル
スノボは大きく2つに分類されます。
アルペンとスリースタイルでは板を含めた足回りに関するギアが違います。
アルペンはフリースタイルに比べて速度が出るため、高速域でも安定する板になります。
バインディング、ブーツも安定するようにハードなものになり、イメージとしてはスキーのそれに近いです。
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一方でフリースタイルはさらに細分化されており、板、バインディング、ブーツ全てにおいて柔らかいものから硬いものまで幅があります。
ちなみにここでの『フリースタイル』とはアルペンの対義語として括っています。
今まであまり気にしたことはなかったんですが、本来はキッカー(ジャンプ台)やパークに設置されているレールにボックス、ハーフパイプなど、カテゴリーにとらわれず楽しむといった意味のようです。
カービングしたりスピンしたり、ゲレンデを自分のイメージ通りに滑ることを『フリーラン(ライド)』と言うみたいですね。
出典:Amazon
一般的にスノーボードと聞いてイメージするのはフリースタイルじゃないでしょうかね?
たいていの方はフリースタイルから始めると思います。
ざっくりわかり易く説明するとルペンはカービング専用、フリースタイルはトリックからカービングまで幅広く対応しているといったところでしょうか。
形状(シェイプ)
時代が進むにつれてボードも進化していき、今では様々な形状があります。
順に見ていきましょう。
板を真横から見たときの形状
キャンバー
最もオーソドックスな板。
センター部分が反って浮いている形状です。
滑りの基礎からしっかり身に付けたいならこれです。
加重して踏み込んだ時にはエッジが雪面に食い込みカービングしやすく、しなりやすく反発もあるのでキッカーでのジャンプなどもイケます。
ほかの板に比べてエッジが引っ掛かりやすいです。
ロッカー
キャンバーが逆に反っている船底のような形状です。
浮力があるので圧雪されていない新雪のパウダースノーでも沈んでいかずに滑ることができます。
エッジが引っ掛かりにくいのでスピンなどのグラトリにも向いています。
キャンバーに比べて反発が少ないのでオーリー(板のテールをしならせて弾いた反動で飛ぶこと)のタイミングが取りづらいです。
カービングは不向きです。
ダブルキャンバー
キャンバーとロッカーを融合させて欠点を補い合った板。
キャンバーのような反っている箇所が2つあります。
カービングもそれなりに滑りやすく反発もありジャンプもOK。
レールやボックス、そしてグラトリなどもやりやすいです。
ソツなくこなせる板なんですが、それなりです。
カービングで言えば、高速カービングやキレのあるターンはキャンバーには敵いません。
フラット(ゼロキャンバー)
キャンバー角のないフラットな板。
ソール(裏面)が地面にベタッと付くのでエッジが引っ掛かりにくくレールやボックス、グラトリなどはやりやすいです。
カービングは不向きだと思います。
反発も少ないのでタイミングも取りづらいです。
おすすめの形状はキャンバー、次点でダブルキャンバーです。
それぞれの形状の板を用意して使い分けるなら話は変わってきますが、特に初めのうちはひとつの板を使いまわすと思います。
ロッカー、フラット(ゼロキャンバー)はパークやグラトリに比重を置いた板という印象です。
エッジが引っ掛かりにくいというメリットはありますが、カービングには向いてないと思います。
スノボを楽しむ上でカービングは基本中の基本なのでしっかり身に付けるべきなんです。
板を真上から見たときの形状
ディレクショナル
ノーズがテールよりも長く、ノーズとテールで違った形状をしている板をディレクショナルといいます。
ノーズ部分が長いため板に乗ったときの重心はややテール寄りになります。
そうすることでフリーランなどの滑走面で安定します。
ツインチップ
ノーズとテールが同じ長さ、同じ形状をしているのがツインチップです。
重心が真ん中になりノーズとテールが同じ形状なのでスイッチスタンスも滑りやすいです。
ディレクショナルツイン
ノーズがテールよりも長いんですが、同じ形状をしているのがディレクショナルツインです。
重心がややテール寄りなので滑走面でも安定しますし、スイッチスタンスでも滑りやすいです。
ディレクショナルとツインチップを足して2で割ったような感じです。
初心者の方に最もおすすめなのはディレクショナルなのですが、そこまで強く意識しなくてもいいような感じがします。
ノーズとテールで明らかに違う形状だとキツイとは思いますがディレクショナルでも普通にスイッチスタンスで滑れますし、ツインチップでもキレのあるターンはできます。
テクニカルの高みを目指すなら変わってくるんでしょうが、そうじゃないならそこまでこだわらなくても大丈夫です。
長さ
一般的に言われている長さの目安は
- 身長175cm以上⇒身長-20cm
- 身長170cm前後⇒身長-15cm
- 身長160cm以下⇒身長-10cm
繰り返しますが、これは目安です。
長さがあると高速域でも安定して滑れる、短いと取り回しがしやすいと言われています。
いきなり速度を出して滑ることは無いので、初めのうちは長いより短いほうがいいと思います。
ただし限度はあります。
個人的にはせいぜい-5cm程度といったところでしょうか。
板の長さだけではなく有効エッジの長さやサイドカーブの深さ、板の柔らかさなど、あらゆる要素が綿密に計算されて設計されているはずなので『短い=取り回しがしやすい』が絶対的なものではないと思います。
そして短い板はウエスト幅も比例して狭くなる(なかには幅の広いワイドタイプもありますが)ので足の大きな男性があまりにも短い板をチョイスすると板から足がはみ出します。(これを『ドラグ』といいます。)
ターンするときに雪面につま先が当たるので危険です。
スタンス幅の問題もあります。
スノボはバランスが非常に大事です。
身体の重心が低ければバランスを崩しても多少のリカバリーはできます。
あまりにスタンス幅が狭いと身体の重心を落とすことができないのでちょっとしたギャップなどに耐えられずにバランスを崩してコケてしまいます。
硬さ(フレックス)
板の縦のしなりをフレックス、横のねじれをトーションと言います。
トーションはあまり実感することはできないと思いますが、フレックスは実感できるはずです。
板を立てた状態でノーズを手で支えながら真ん中を押せばどの程度のフレックスがあるのか確認できます。
人の手で押したときに板が折れることは無いので力いっぱい押して大丈夫です。
特徴としては硬いほど高速域で安定して、ジャンプなどの着地でも安定します。
柔らかいほどグラトリなどのトリックはしやすくなり、扱いやすくなります。
初めのうちはソフト~ミドルフレックスがおすすめです。
まとめ
色々な形状や硬さなど種類の幅が広いので、自分のスタイルに合わない板を選んでしまうと上達が遅れたり、なによりスノボがつまらなく感じてしまうかもしれません。
初めのうちはレンタルでもいいでしょうし、バインディングとのセットものやエントリーモデルで十分です。
迷ったり疑問を持ったりしたらショップ店員などに聞いてしっかりしたものを選びましょう!