山の天気って変わりやすいんですよね。
晴天だったのに気が付けばどんよりと曇っていたり、さっきまで吹雪いていたのにいつのまにか晴れていたり。。。
急な気温の変化で霧(きり)が出てくることもありますよね。
天候の変化とともに視界が悪くなることは多々あります。
スキーもそうなんですが、スノーボードも雪上を滑り落ちるスポーツなので雪面の凹凸や障害物などを目視確認しながらでないと大事故に繋がる恐れがあります。
ゴーグルで視界を確保すればリスクを減らすことができるので雪山では必需品とも言えるアイテムですね!
ゴーグルの基礎知識
レンズの形状や色など、ゴーグルの基礎知識を見ていきましょう。
シングルレンズとダブルレンズ
ゴーグルのレンズにはシングルとダブルがあります。
シングルは説明するまでもないですよね。
ダブルはレンズが2層になっていて間に空気の層を作り、外気とレンズ内との温度差を和らげてシングルに比べて曇りにくくなっています。
強いて言えば2枚のレンズが重なっているため視界が歪みやすいのがデメリットなんですが、ぶっちゃけ気にならないと思まいます。
価格もダブルのほうが高いです。
滑っている最中にレンズ内が曇っていると結構なストレスになります。
断然、おすすめはダブルレンズです!
レンズ形状
平面レンズ
オーソドックスな平面のレンズです。
レンズから目までの距離が近いので視界が歪みにくいです。
球面レンズに比べると視界が狭くなります。
球面レンズ
丸みを帯びた立体的なレンズです。
レンズから目までの距離が離れているのでゴーグル内の容積が多くなるため曇りづらいです。
また、視界も広く耐久性に優れているのが特徴です。
平面レンズに比べて高価になります。
偏光レンズって何なの?
雪面に反射した光のことを『偏光』といいます。
雪面ではこの偏光が乱反射して雪面が見えにくくなります。
この反射光をカットしてくれるのが偏光レンズです。
反射光によるギラつきを抑えてコントラストをよりハッキリさせるので、雪面の凹凸や時間経過による雪面の荒れをしっかり捉えることができます。
その分、値も張りますが見え方の違いは歴然なのでおすすめです。
UVカットレンズって?
よく耳にする言葉なのでご承知のことかもしれませんが、紫外線カットのレンズってことですね。
雪山は非常に紫外線が強いです。
スキー、スノボ帰りの人が顔を真っ黒に日焼けしているのを見かけたりもしますよね?
最近はUVカットレンズが当たり前になってきている気もしますが、特に敏感肌やスキンケアに気を付けている方は忘れずにチェックしましょう。
可視光線透過率(VLT)とは?
ゴーグルのレンズには可視光線透過率(VLT)が表記されています。
ざっくりと簡単に言えばレンズ越しに入ってくる光の量のことです。
これが0%であれば全く光を通さない状態なので真っ暗になります。
逆に100%なら全ての光を通します、言ってみれば裸眼の状態ですね。
一般的にはレンズカラーが薄いほど可視光線透過率も比例して大きくなり、レンズカラーが濃いほど可視光線透過率は小さくなります。
ただし、ミラーレンズは実感としてあまり当てはまりませんが・・・
かなりざっくりとした目安なんですが、晴天用は~20%、曇天用は50~60%
降雪時やナイターは70%~ってとこでしょうか?
全天候のオールマイティレンズなら30~60%前後だと思います。
レンズカラー
レンズカラーによって見え方の特徴があります。
グレー・ダーク系
全体的な視界を少し暗くするようなイメージでしょうか。
よく晴れている晴天時などに向いています。
他のカラーに比べると薄暗くなっただけの落ち着いた色合いなので目が疲れにくいメリットもあります。
ブルー系
ブルー系はグレー・ダーク系よりもやや明るいレンズです。
晴天から曇天向けのレンズですね。
オレンジ系
晴れから降雪時まで使うことのできる全天候型のレンズになります。
数あるレンズカラーの中でも一番無難な色です。
ピンク系
ピンク系も全天候型のレンズですね。
オレンジよりも明るく見えます。
オレンジは晴れの日寄り、ピンクは雪の日寄りといったところでしょうか。
イエロー系・クリア
イエロー系はピンクよりもさらに明るく見えます。
クリアは色のない透明のレンズになるので裸眼に一番近いです。
天気が悪く空が薄暗いときやナイターに向いていますね。
逆に晴天時には眩しくて使えないでしょう。
ミラー系
レンズの外側にミラーコーティングをしているものです。
レンズの内側からは上記のベースとなるカラーの見え方になります。
ミラーコーティングが光を反射して眩しさを抑えるので晴天向きのレンズになります。
ただし最近では薄いコーティングで外から目線が見えない程度にして曇天や降雪時などにも対応しているレンズが主流のようです。
調光系
そのときの紫外線量でレンズの色の濃さが変わるPhotochromic(フォトクロミック)レンズというのもあるみたいです。
その日の天候をいちいち気にしなくて済むので非常に便利ですね!
サイズ
ゴーグルのサイズはメンズ、レディース、キッズで分かれています。
S、M、L等のサイズ概念がないです。
ゴーグルの内側にあるスポンジ部分をフォルムといいます。
試着したときにフォルムが顔にぴったりとフィットするものを選びましょう。
フォルムと顔との間に隙間があるとレンズが曇る原因になったり、滑っている最中にレンズ内に隙間風が入り目が乾いて痛くなります。
海外ブランドは鼻の低い日本人に合わせた作りになっていません。
特に頬や鼻の部分がフィットしているか確認してくださいね。
日本人の骨格に合わせた『ジャパン(アジアン)フィット』もリリースされているのでチェックしましょう。
メガネ対応
日常生活の中でメガネを使用している方もいると思います。
メガネと一緒にコンタクトも併用していればスノーボードではコンタクトを使用すればいいので問題ないのですが、コンタクトを使用しない方のために各ブランドから眼鏡対応のゴーグルがリリースされています。
残念ながら全てのモデルがメガネ対応ではないのですが、メガネ対応のゴーグルはフレームも大きくなっていてレンズと目との距離もありメガネ越しであっても視界が狭くならないような工夫がされています。
ただし、メガネには形状や大きさなどの個体差があるので、メガネ対応のゴーグルであれば必ず装着できるわけではありません。
試着をしてみてストレスなくフィットするものを選びましょう。
換気ファン付きのゴーグル
出典:Amazon
その名の通り小さなファンが付いており、レンズ内の空気を強制的に喚起するゴーグルもあります。
メガネ対応のゴーグルの専用機能ではありませんが、特にメガネをかけている方にとっては便利な機能だと思います。
電池式のものが主流のようですね。
とうぜん、普通のゴーグルと比べると重量はありあます。
ベルトの種類
ゴーグルのベルトはバックルが付いているものと付いていないものがあります。
バックル付きのほうが着脱は楽ですね。
ベルト同士がしっかりかみ合うので普通に滑ってるだけで取れてしまう心配はなです。
バックルが無いタイプは画像の赤丸部分を左右に引っ張って調節します。
慣れればたいした手間ではありませんが、やっぱりバックル付きがいいですね・・・(^^;
オプション
ゴーグルのオプションパーツを見ていきましょう。
レンズ
安価なゴーグルは対応していないかもしれませんが、それ以外のほとんどのゴーグルはレンズの交換が可能です。
最近のフレームレスタイプは簡単に交換できると思います。
フレームのあるタイプでも交換作業自体は難しくありません。
作業手順としては、
①レンズの上部分から外していく。
フレーム下部(頬、鼻の部分)をしっかりと手で押さえながらフレームの上にあたる部分を引っ張って外します。
その際、フレームに固定させるための凹みが3箇所あります。
②レンズのサイド部分を外していく。
サイド部分は凹凸になっています。
レンズの上部分が外れているので比較的簡単に外せるはずです。
③頬の部分を外す。
頬にあたる部分にも凹みがあります。
既に上部分は外れているのでレンズを押さえての作業になりますが、爪を立てて傷を付けないように注意しましょう。
画像のように手袋をしての作業だとレンズを傷つける心配もないですよ!
④鼻の部分を外す。
最後に鼻にあたる部分を外します。
他の部分に比べてしっかりはまっています。
フレームに対して水平に引っ張るようにします。
力ずくでグリグリと広げるようにするとレンズが歪んでしまう恐れもあるので水平に引っこ抜くようにして下さい。
レンズの取り付けは逆の手順で行います。
レンズが傷だらけになったりコーティングが剥がれたときはもちろんですが、ゴーグルを選んでいるときに、気に入ったフレームだけどレンズカラーが気に入らない場合でも好みのカラーに交換することができますね。
ベルト
ベルト交換も全てのゴーグルで交換可能なわけではありませんが、モデルによって交換できるものもあります。
売っているときはバックルが無いタイプでも、ベルト交換が可能でさらにオプションでバックル付きのベルトがあればそれに交換することもできます。
気に入ったゴーグルを見つけたときは購入前に一通り調べてみることをおすすめします。
ベルトクリップ(延長ベルト)
例えばヘルメットを着用するときには頭周りがその分だけ大きくなるのでゴーグルのベルトの長さが足りなくなることもありますよね?
そんなときにはベルトを延長できるベルトクリップがあります。
出典:Amazon
ギリギリ取り付けることができても、ベルトを目一杯延ばした状態での使用を続けているとゴムが伸び切ってベルトの寿命が早まってしまいます。
また、ヘルメットを使用していなくても頭の大きい方はベルトがキツイことがあるかもしれません。
そのまま使用していると頭痛の原因にもなっちゃいます。
当てはまる方は購入前にオプションパーツとして出ているのか確認しましょう。
まとめ
ゴーグルにもフレームやベルトのデザインであったりレンズカラーなど種類が豊富なので迷っちゃいますが、本来の目的は視界を確保することです。
ご自身の顔にフィットして、雪面の凹凸などをしっかり捉えることのできるゴーグルを選ぶようにしましょう。